べっさんのニュージーランド自転車旅行記

ニュージーランド走ってきました

DAY 13「TOEIC800点」

3/5  DAY 13  from Tikitiki to Tokomaru Bay

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夜中にテントに入ってきたセミ。野宿は自然と隣り合わせである

 朝方の3時ぐらいだろうか。昨日寝る前にトイレに行こうと思いながら行かなかったのが悪かったのか、また目が覚めてしまった。が、外に出ると雲一つない満点の星空。時折流れ星がスッと流れては消える。今日は暑くなるぞと思いつつ再び寝袋に潜る。起きたのは夜も白み始めた6時だった。最後にBarのお母さんに水をもらい、丁寧にお礼を言って出発。朝日を背に受け長い影が道路に伸びる。

今日の道は昨日に比べれば標準的な道である。メインの道から数キロほど外れているが少し大きな町Ruatoria(ルアトリア)のFour Squareで大量の果物(最近不足していた)と、切れていた粉末スープを購入して、だらだらと平坦路を走っていた時だった。前方から自分がやってくるではないか。いや、そんなはずはない。自分と同じ自転車旅行者(42)だ。彼は大きく手を振りながら自分の元へやってくる。そして自己紹介が始まった。彼はSouth IslandのNelson(ネルソン)に住んでいたが、自転車旅行が好きすぎて3週間前に仕事を辞めてきたという。そんなことをさらっというものだからあきれて何も言えない。そして君は英語が上手だねと褒めてくれた後、Christchurchの地震は知っているかと聞く。大きい地震で崖が崩れて主要道路が通行止めになっているらしい。山火事で通行止めになったと聞いていたが地震が原因なのか。Wi-Fiがないことにはそうした情報を得ることができない。彼に迂回ルートやその他おすすめの場所を教えてもらった。自転車旅行ではないが日本に行ったことがあるらしく、日本では飯はうまいし、人はやさしいし、何よりもどこでも野宿できるから最高だねと言っていた。

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朝日を受けてきらめく川

かれこれ40分ほど路肩で話し合った後、別れを告げそれぞれの目的地に向けペダルを踏む。途中のTe Puia Springs(テ・プイア・スプリングス)に到着したときにはもうすでに40kmほど来ていたのでここで泊ってもよかったのだが、キャンプに適したところが見つからない。次の町Tokomaru Bay(トコマル・ベイ)まで頑張る。すると、街に入ってすぐ美しいビーチとエメラルドグリーンの海が広がり、なんとその目の前がキャンプ場になっているではないか。とても素晴らしいところだ。迷わずここに泊ることにして、木陰のベンチで昼寝をして旅の疲れをとる。夕方近くになって近くのFour Squareで明日のパンを買い、夕飯の支度をしていると、中学生くらいの地元の子供が近づいてきた。最初は一人だったが気づけば次々と集まり、どこから来たの、どこに行くの、何してるの、これは何、と質問攻めにあう。(その余りの勢いに混乱して、誤ってまだ熱いストーブの五徳に触ってしまいやけどをした) こちらの英語力に気を遣ってくれる大人と違い、子供は容赦がない。えげつないスピードで話しかけ、好き放題に喋りまくる。だが、耳が慣れると意外にも彼らの言っていることがわかるようになるものだ。今、TOEICでも受ければ800点は取れそうである。それから彼らは僕のFacebookのアカウントを半ば強引に聞き出しリクエストを送る。Wi-Fiにつなぐまでは承認できないが、まあ仕方ない。みんなの名前をメモ帳に書かせ、名前を覚えようとするのだがなんせ十数人もいるのでなかなか覚えきれない。彼らの話を傍らで聞きながら飯を食い、なかなか楽しいひと時であった。

   走行距離: 60km 計: 615km

 

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Tokomaru Bay

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木陰のベンチでのんびり

脚注

(42)自転車旅行者:彼のほかにもNZを自転車で回る旅行者はたくさんいる。海外からでは、特にオランダなどの欧州からが多い。

 

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