DAY 7「予感」
2/27 DAY 7 from Opotiki to Te Kaha
今日も6時半に起床。習慣になったようだ。昨日の夕べ、犬の散歩に来ていたハイジに出てきそうなおじいさんと会話を交わしたが、やはりなまりがきついため半分くらいしか聞き取れない。せっかく話しかけてくれているのに残念である。そのおじいさんは朝も散歩に来た。しばらく話をして別れを告げ、出発。今日は山岳コースである。途中、Hawai River(ハワイ・リバー)という名の川で泳いだ。水はとても冷たかったが、気持ちがいい。2つの峠を越えると、目の前にはまるで日本の四万十川のような風景が広がる。川辺で昼飯にした。針葉樹が山肌を覆い、静かで美しいところであったが、ここにきて少し気になるのはSandflyの異常な多さである。こいつさえいなければ落ち着いて飯が食えるし、裸になって日光浴をすることもできるのに。
再び出発してOmaio(オマイオ)という村に到着。店で食料を調達する際に自転車旅行をしている夫婦と出会った。ここで泊るかどうか検討したが、日影がないのでパス。15km先のTe Kaha(テ・カハ)まで棒のような足を鞭打つ。すると、Te Kahaで、磯に入れるポイントを発見。NZを旅して1週間、やっと魚が釣れそうな実感がわいてきた。ここで2泊することを決定したのだがここもSandflyの嵐である。まあ、どこに行っても避けられるものではないか、とあきらめて、磯の下見に行く。磯は少し浅く、底に海藻が密生していて、ジグを投げられる状況ではない。地元の若者が2人、Kahawai(カハワイ、カーワイ)(21)を狙いに来ていたので、状況を聞いてみると、Kingfish(キングフィッシュ)、すなわちヒラマサはいるということである。準備をし、1時間ほどトップやミノー、ジグの表層引きなどを試すが反応はなかった。若者たちもKahawaiは釣ることができなかったようだ。
釣りから引き揚げて飯を炊いていると雨が降ってきた。一昨日まで、雨なぞ一滴も降らないドピーカン続きだったのが、昨日あたりからどうも夕方から夜にかけて雨が降るようである。飯の準備をしている最中や、飯を食っている途中の雨はとても困る。いろいろ散らかしているものを手当たり次第にかき集めテントに押し込み、何とかテントの前室で態勢を整えたころには小降りになっていた。骨折り損である。
しかし、問題はここからだった。雨の後、Sandflyが活性化することは話に聞いていたが、まさかここまでとは思わなかった。数十匹ものSandflyがたかり、まるで自分を中心に蚊柱が立っているかのようである。さらに(彼らは熱にも反応するので)手に持っているスープや飯にまで飛び込んでくる。数匹は誤って食べたかもしれない。
そんなこんなで慌ただしい夕食を終え、明日の朝のためにもう一度磯の下見をして寝た。
走行距離: 69km 計: 482km
脚注
#近年、日本で流行しているショアジギングという釣法は、陸からメタルジグという鉛製のルアーを投げ、着底してから竿をしゃくり、ルアーに動きをつけることによって魚を誘うというものである。また、魚の活性が高く表層にいるときには、トップウォータープラグ(表層でアピールするルアー)や、ミノー(水面下を泳ぐように動くルアー)などを用いる。
(21)Kahawai:NZの磯釣りでもっともポピュラーな魚の一つ。50cmほどの大きさで、餌釣りで簡単に釣れ、引きが良い。血抜きを適切に行えばおいしく食べられる。
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